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コールセンターシステムの要件定義書とは?必要な項目やまとめ方を解説

  • ProCX編集部

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コールセンターの立ち上げで必要になるのが、要件定義書と呼ばれる文書の作成です。要件定義書には、コールセンター構築の詳細や業務要件を記載し、関係者同士が統一された要件に合わせて作業を進められるようにします。この記事では、コールセンターシステムの要件定義書について、その内容や作成にあたってのポイント・注意点を解説します。

コールセンターシステムの要件定義書とは?

要件定義書とは?

要件定義書とは、簡単にいえば「要件定義」で決定した内容を文書化したものを指します。要件定義とは、システムを構築する側(開発者)が、システムを発注する側(発注者)の要望を実現するために必要な要件をまとめる作業のこと。それを文書に起こしたものが要件定義書で、プロジェクトを進めていく上で最も重要な書類といえます。

なお、要件定義書には特に決まったフォーマットがあるわけではありません。プロジェクトに関わる人、特に専門的な知識がない人にもわかりやすく作成することが大切です。

コールセンターシステムの要件定義書とは?

コールセンターシステムの要件定義書に記載すべき内容としては2つあります。

ひとつは、システムを構築する際の重要な要件をまとめた「概要」です。ここには、システム化の目的や現状の課題、開発するシステムの全体像を示すためのシステム構成図などを記載します。併せて、使用する専門用語のそれぞれ定義についても記載します。

もうひとつは、コールセンターシステムの業務内容をまとめた「業務要件」です。ここには、システム導入後の具体的な業務について記載します。例えば、業務内容や担当者一覧、業務の流れを示すフローチャート、業務を行う時期や工数、業務の目標や指標などです。

なお、コールセンター構築を外注ではなく自社内で行う場合は、自社で要件定義をまとめる必要があります。非常に重要な作業なので、慎重かつじっくり行いましょう。

コールセンターシステムの要件定義書作成に欠かせない!システム構築のステップとは?

要件定義書を作成するにあたって、コールセンターシステムの構築に必要なステップを理解しておきましょう。

コールセンターのオペレーション(業務プロセス)を設計

まずはコールセンターの業務プロセスを設計する必要があります。現状の課題をもとに、コールセンターで何を実現したいかなどの目標を明確にし、そのためにはどういったオペレーションが必要か考えましょう。

業務の管理体制を設計

次に、コールセンターの業務をどのように行うのか、それをどのように管理するのかを決定しましょう。どんなに良いオペレーションを組んでいても、それを実行・管理する体制が十分でなければ、うまく運用することはできません。

必要な機能やシステムを洗い出す

現状の課題やコールセンターで実現したいことを鑑みた上で、必要と思われる機能やシステムを決定しましょう。コールセンターに欠かせない機能やシステムについては後述しているので、そちらを参考にしてください。

コールセンターの運営に必要な組織を設計する

コールセンター業務を行うのに必要な組織図を設計し、それぞれの部署に必要な人員数を算出しましょう。ここまでで決定した業務プロセスや管理プロセスを実行できるだけの人員数を検討することが大切です。

人材育成プランを設計する

コールセンター業務に必要なスキルを洗い出し、それを教育するための育成プランを設計しましょう。また、経験の少ないオペレーターでもしっかり顧客対応ができるように、FAQシステムやトークスクリプトを準備することも大切です。

コールセンター構築に必要な工数と予算を設計する

コールセンターの構築には、初期費用・人件費・採用費・維持費などのコストがかかります。また、コールセンターの立ち上げには多くの時間が必要となるので、そのための工数も確保しておかなければなりません。こういったコストや工数を洗い出して把握しておくことで、後々のトラブル防止にもなり、より明確な計画が立てられるようになるでしょう。

コールセンターの要件定義書の作成で押さえておきたいポイントは?

要件定義書は以下のようなポイントを押さえて作成しましょう。以下の内容をそれぞれ決定し、要件定義書としてまとめていきましょう。

業務種別を決定する

コールセンターの一般的な形態としては、架電業務を行うアウトバウンド型、受電業務を行うインバウンド型、もしくは両方を行うコールブレンディング型があります。

・アウトバウンド型(架電業務)

アウトバウンド型は、オペレーターが顧客に対して電話をかける形態です。商品の販売促進やアンケート調査、キャンペーンの案内・電話営業・テレアポなどが主な業務となります。

・インバウンド型(受電業務)

インバウンド型は、顧客からの電話を受ける形態です。問い合わせ対応や注文受付、カスタマーサポートや返品・交換対応などが主な業務となります。

・コールブレンディング型(架電業務・受電業務)

コールブレンディング型は、架電業務・受電業務の両方を行う形態です。

提供形態を決定する

コールセンターの提供形態には、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。

・オンプレミス型

オンプレミス型は、自社内にサーバーやハードウェアを設置してシステムを構築する形式です。

・クラウド型

クラウド型は、オンライン上で提供されているクラウドサービスを利用してコールセンターを構築する形式です。

コールセンターの規模を決定する

どのような業務を行うのか、どのような形態で行うのか、どの程度の成果を期待するのかなどを踏まえて、コールセンターの規模を決定しましょう。規模によって必要となる回線数やネットワーク・オペレーターの座席数などが変わってきます。

コールセンターに必要な機能を決定する

コールセンターを設置することで何を実現したいのか・目標やゴールなどを見極めたうえで、必要な機能を決定しましょう。コールセンターの構築に必要な基本機能としては、以下のようなものがあります。

PBX

PBXとは、内線や外線などすべての電話回線を一括管理する仕組みです。コールセンターには欠かせないシステムといえます。

CTI

CTIは、電話とコンピューターを連携させる技術のことです。顧客とのやりとりを全てデジタルデータとしてコンピューター上に残せるようになります。

ACD

ACDは、多数の電話を効率よく処理する仕組みです。「空いているオペレーターに電話をつなぐ」「特定の相談内容は専門の担当者につなぐ」などが自動的にできるようになります。

IVR

IVRは、顧客が電話をかけた際に自動音声で案内を行うシステムです。電話をかけてきた顧客を、用件に合った担当部署にスムーズにつなぐことができます。

RPA

RPAは、業務の中で繰り返し行われる作業を自動化する技術です。顧客情報のデータベースへの入力や、決まったフォーマットでのメール送信などの単純作業が自動的にできるようになります。

FAQ

FAQは、顧客から頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめたデータベースです。わざわざ問い合わせをしなくても顧客自身が解決策を見つけられるようになります。

チャットボット

チャットボットは、会話形式で顧客対応ができるAIシステムです。オペレーターを介さずとも、単純な質問であれば十分に対応できるようになります。

通話録音装置

通話録音装置は、顧客とオペレーターの会話内容を記録する機能です。トラブル防止やサービスの品質向上に役立ちます。

VDI

VDIは、オペレーターがどこからでも業務を行えるようにする仕組みです。リモートワークや在宅ワークでも業務が可能になります。

なお、コールセンターシステムに必要な機能について詳しく知りたい方はこちらもご確認ください。

連携が必要な既存システムを洗い出す

コールセンターシステムを導入する際は、既存のCRMやSFAといった外部システムとの連携が可能かどうかを事前に確認することが大切です。これらと連携することで、顧客情報を一元管理できるようになり、問い合わせ内容を自動で記録したり、営業データを活用して顧客に最適な提案を行ったりすることが可能になります。

一方で、既存のシステムと連携できない場合、データの手入力が必要になるなど、業務効率が低下するリスクがあります。最悪の場合、導入したシステムが十分に活用されず無駄になる可能性もあるため、事前に適合性を確認することが大切です。

予算

予算に関する取り決めも重要です。コールセンターの規模・必要とされる機能・コールセンター構築にかかる工数などをもとに予算を決定しましょう。一つひとつの項目について綿密に洗い出して予算を算出する必要があります。

まとめ

要件定義書の作成は、コールセンターの立ち上げをスムーズに進めるための重要なステップです。今回ご紹介したポイントを押さえて、明確で綿密な文書を作成しましょう。

なお、コールセンターを外注ではなく内製する場合は、自社内で要件定義を定める必要があります。この作業に不安を感じるのであれば、そもそもコールセンターの外注も検討すると良いかもしれません。外注の場合は要件定義書の作成もベンダーと一緒にまとめていくことができるので、負担が軽減します。以上を踏まえて、自社にとって最適なコールセンター構築、そしてそのための要件定義書の作成にあたってください。

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